副作用対策に関する情報

感染症

  • 重篤な感染症(結核、肺炎、敗血症)の新たな発生や悪化、敗血症、肺炎、日和見感染症等の致死的な感染が報告されていますので、十分にご注意ください。重篤な感染症の患者には本剤は禁忌です。
  • 国内及び海外のプラセボ対照試験において、セルトリズマブ ペゴル群でプラセボ群と比較して感染症のリスク増加が認められました。セルトリズマブ ペゴル群での重篤な感染症の発現割合は、国内2.3%、海外3.5%(以下同順)、及び試験中止に至った感染症は1.1%、1.8%でした。
    また、早期関節リウマチ患者対象試験において、セルトリズマブ ペゴル群での重篤な感染症の発現割合は3.1%、及び試験中止に至った感染症は1.9%でした。
  • これまでに得られているプラセボ対照試験及び非盲検試験の安全性データの解析から、セルトリズマブ ペゴル群では、プラセボ群と比較して感染症のリスクが増加することが示されています。
  • 本剤の投与に際しては、日本リウマチ学会TNF阻害薬使用ガイドラインに沿ったスクリーニング及び予防的措置を確実に実施してください。投与中に重篤な感染症が発現した場合は、速やかに適切な処置を行い、感染症がコントロールできるようになるまでは投与を中止してください。他の生物学的製剤との切り替えの際も注意を継続してください。また、患者に対しても、発熱、倦怠感等があらわれた場合には、速やかに主治医に相談するよう指導してください。

結核

  • 播種性結核(粟粒結核)及び肺外結核(胸膜、リンパ節等)を含む結核が発症し、致命的な例も報告されています。活動性結核患者には本剤は禁忌です。
  • 国内試験では、結核は報告されませんでしたが、海外試験のデータから、セルトリズマブ ペゴル投与により肺結核、播種性結核、肺外結核を含む結核のリスクが増加することが示唆されました。ほとんどの症例(30例中26例)は、投与開始12週間目以降に発症していました。
  • 本剤投与開始時には十分なスクリーニングを行い、その後も定期的な検査を行うなど、結核の発現には十分に注意してください。なお、活動性結核と診断された場合は本剤を投与しないでください。

間質性肺炎

  • 間質性肺炎があらわれることがあるので、発熱、咳嗽、呼吸困難等の呼吸器症状に十分に注意してください。
  • 国内プラセボ対照試験及び継続投与試験ではセルトリズマブ ペゴル群(528例)で6例に間質性肺疾患が報告されました。セルトリズマブ ペゴルの投与6週目以降にKL-6が上昇した症例が認められましたが、間質性肺炎とKL-6との関連性を確認することはできませんでした。血清KL-6値が上昇した場合には、臨床所見、画像所見、他の検査データと併せて総合的にご判断ください。早期関節リウマチ患者対象試験では、セルトリズマブ ペゴル群(159例)で5例に間質性肺疾患が報告されました。
  • 本剤の投与に際しては、発熱、咳嗽、呼吸困難等の呼吸器症状に十分に注意してください。TNF阻害療法施行中に発症した胸部異常陰影では、結核・ニューモシスティス肺炎を含む肺感染症、薬剤性肺障害、原疾患に伴う肺病変等を想定した対処が必要です。

アレルギー反応

  • 本剤に対するアレルギー反応があらわれることがありますので、ご注意ください。アレルギー反応の可能性のある事象として皮膚炎、湿疹、発疹、皮疹、咳嗽、蕁麻疹等が報告されています。
  • 国内プラセボ対照試験において、即時型又は遅発型の過敏症反応の可能性のある事象の発現が報告されています。即時型の事象の大部分は軽度又は中等度で、回復しました。遅発型の過敏症反応の可能性のある事象の大部分は発疹でした。
  • アナフィラキシー等の重篤なアレルギー反応があらわれた場合に、迅速に対応できるようご準備ください。また、注射部位において紅斑、発赤、疼痛、腫脹、そう痒、出血等の発現に注意し、発現時には適切な処置を行ってください。

血液障害

  • 再生不良性貧血を含む汎血球減少症、血球減少症(血小板減少、白血球減少、顆粒球減少等)があらわれることがあります。
  • 国内試験のいずれのセルトリズマブ ペゴル群でも、血液学的事象の発現率は低く、凝固障害を示唆する事象は報告されませんでした。
  • 投与開始前及び投与中には定期的に血液検査を行い、経時的な変化にご注意ください。異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行ってください。

肝機能障害

  • 本剤を含む抗TNF製剤を投与されたB型肝炎ウイルスキャリアの患者、既往感染者において、B型肝炎ウイルスの再活性化が認められています。
  • 国内のプラセボ対照試験において、B型肝炎その他の重篤な肝臓系事象の報告はありませんでした。早期関節リウマチ患者対象試験において、セルトリズマブ ペゴル群ではB型肝炎その他の重篤な肝臓系事象の報告はありませんでした。
  • 本剤投与開始前に、日本肝臓学会「B型肝炎治療ガイドライン」に沿って、B型肝炎ウイルス感染の有無の検査(HBsAg, HBcAb, HBsAb)を実施してください。投与中は定期的に肝機能検査を行い、特に、B型肝炎ウイルスキャリア、既往感染例では、HBV DNAを含む肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、再活性化の徴候や症状の発現にご注意ください。

抗dsDNA抗体の陽性化を伴うループス様症候群

  • 国内試験で、ループス又はループス様症候群の報告はありませんでした。海外試験では、ループス又はループス様症候群がセルトリズマブ ペゴル群(2,367例)で6例(0.3%)報告されました。
  • 本剤投与後に、ループス様症候群が発現した場合は、抗dsDNA抗体等を測定し、鑑別診断を行ってください。
  • 抗dsDNA抗体陽性のループス様症候群となった場合には本剤の投与を中止してください。

脱髄疾患

  • 脱髄疾患(多発性硬化症、視神経炎、横断性脊髄炎、ギラン・バレー症候群等)の患者及び既往歴のある患者は本剤の禁忌です。
  • 国内及び海外試験における視神経炎、多発性硬化症又はその他の脱髄性疾患は報告されませんでした。
  • 脱髄疾患が疑われる患者、家族歴を有する患者に本剤を投与する場合は、適宜神経学的評価や画像診断等の検査を実施し、十分な観察を行ってください。

悪性腫瘍

  • 抗TNF製剤の臨床試験で、悪性リンパ腫、白血病等の悪性腫瘍の発現頻度が対照群に比べて高かったとの報告があります。
  • 国内プラセボ対照試験及び継続投与試験では、悪性腫瘍は、セルトリズマブ ペゴル群(528例)で4例(0.8%)、プラセボ群(191例)で1例(0.5%)が報告され、癌腫に一定の傾向は認められませんでした。海外試験では、セルトリズマブ ペゴル群における悪性腫瘍(非黒色腫皮膚癌を除く)の一般人口を対象とした場合の標準化発生比(SIR)は0.86(95%信頼区間:0.59,1.22)と算出されており、一般的なRA患者集団や他のTNF阻害薬と同程度であると考えられました。
  • 早期関節リウマチ患者対象試験において悪性腫瘍は、セルトリズマブ ペゴル群(159例)で1例(0.6%)が報告されました。
  • 悪性腫瘍のスクリーニングを実施し、本剤投与中は悪性腫瘍の発現には十分にご注意ください。
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